ブログ

勇者のチラシにおれはなる第5話

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

5.恐怖のごみ箱ゲートとマッサージ佐藤広子

登場人物

 

文/えむこ  絵/マジー  こざいく/まっきー

 

本文

 

「わかってらっしゃらないのね?

いい?この過酷なトーナメントは、そんな甘いものじゃないのよ。3回戦まで勝ち進むにはそれなりのノウハウが必要なのよ。」

なんだって?三回戦まで?聞いてない!そんなこと!

 

「え?三回戦まであるの?」

 

「あら、ご存じないのね?じゃあ教えてさしあげるわ。

一回戦は1秒勝負

二回戦は10秒勝負

三回戦は30秒勝負

一回戦でじっくり読んでもらえることなんてありえないの。

つまりじっくり読まなきゃダメなチラシなんて一回戦で敗退なのよ。」

 

1秒勝負!

これだったのか、お母さんがうわ言で言っていたのは。

そういうことだったんだ。

 

「大体の人は自分の魅力を伝えるために、いっぱいチラシに盛り込もうとする傾向にあるのよ。

でもそうじゃないのがこのトーナメント。

つまりは「お客さん」がチラシを取った時の行動を予測して、1秒勝負、10秒勝負、30秒勝負が設定されているというわけ。

これを1・10・30の法則と呼ぶのよ!」

 

「それじゃ・・・君は・・・そのノウハウっていうのを、知っているっていうのかい?」

ぎっしりチラシくんは、悲鳴を上げるように叫んだ。

 

「もちろんよ!とにかく人を惹きつける魅力を私は手に入れたのよ。

でもこの先を聞いたらあなた方もっと驚くと思うわ、というより恐れ震えると思うわ」

 

がんばるチラシとぎっしりチラシは、つばを飲み込んて、ファーを巻いたチラシちゃんの次の言葉を待った。

 

ファーを巻いたチラシちゃんは、自分の言葉が相手に与えるショックを楽しむかのように、低い声で、一つ一つの言葉を区切るように、言った。

 

「いい?この1秒勝負、10秒勝負、30秒勝負。

どの勝負で負けても・・・

敗者のたどる運命は・・・

・・・

【ゴミ箱ゲート】なのよ!」

 

ゴミ箱ゲート!

(; ・`д・´) ナ、ナンダッテー!!

 

そんな過酷な運命が待っている勝負に、僕は「とりあえず」送り込まれたのか!!!

 

そんな・・・そんなことって・・・

お母さんはこの事を知っていたのだろうか?

まさかそんなはずはない・・・

いや・・・確かうわ言で・・・ゲートはいやとかなんとか・・・

 

頭の中がパニックになったがんばるチラシは、言葉を失いました。

 

「わかった?このトーナメントは人を惹きつける魅力だけでなく『とんでもない勇気』を持っていないと挑戦できないのよ!!!」

 

 

「何もめてんだよ?おまいら」

%e5%8b%87%e8%80%855-1

人間は『人それぞれ』というけれども、チラシもまた、『チラシそれぞれ』

 

マッサージ佐藤広子

と何の変哲もないモノクロで印刷されたチラシがニヤニヤ笑いながら立っていました。

 

ちらっとその姿をみたファーを巻いたチラシは、たぶん「自分とはかかわりない人」と思ったのか、鼻でフンと笑って黙っています。

 

ぎっしりチラシくんは、勝ち抜くことはおろか一回戦敗退を宣告され、

ぶつぶつと「ゴミ箱ゲート…ゴミ箱ゲート・・・」とつぶやいて、あのイラストのままになって力が抜けているようです。

%e5%8b%87%e8%80%852-3

 

仕方なく、がんばるチラシは答えました。

 

「こんにちは、マッサージ佐藤広子さんなんだね?君は」

 

「ばかだなー、おめーは。これは母ちゃんの名前に決まってんだろうがよ。」

 

「あ、そうだよね、あのなんていうか、飾り気がない・・・って言うか、、、

すごくシンプルなんだね?君は」

 

「そうだろ?いかしてんだろ?知ってるか?

しんぷるいずびゅーてふる!ってやつなんだぜ?」

 

しんぷるいずびゅーてふる・・・というより・・・

ファーを巻いたチラシちゃんに比べ「お金をかけてない感」がハンパない。

「手間暇かけてない感」がハンパない。

やっつけ仕事ってやつなんじゃ・・・

 

いやいや、他人をそんな風に批評するのはよくない・・・そもそも、他人がどうのこうのより、自分がどうするか?どうなるか?が肝心であるのであって・・・

 

さっきからいろいろ考えすぎて頭の中がくらくらしてきているがんばるチラシですが、そんなことを知ってか知らずか、やっつけチラシが言い放ちます。

 

「しかしなんだな、おまいら。どいつもこいつも、しけたつらしやがってんな?

だ、い、じょ、う、ぶ、ですか―――?
そんなんで!」

 

あまりの傍若無人なやっつけチラシの物言いに、ファーを巻いたチラシが叫びました。

 

「あなたのような下品な方にそんなことを言われる覚えはないわ!仲間だと思われたらどうするのよ!話しかけないでちょうだい!」

 

またまたやばい・・・いや、それは・・・

 

「あーそうですか?なんだよこんなにちゃらちゃらしやがって。

いるんだよね~。こういう風に、高価なものを着ていたらトーナメントに勝てると思っているやつら。

前回も、お前さんみたいにキラキラじゃらじゃらしてるだけで、どれも見分けがつかない女たちが、一回戦で根こそぎ【ゴミ箱ゲート】に泣きながら送られるのを俺は見てるんだよ。

どんなにお金をかけて着飾っても、ゴミ箱に行ったらただの紙切れだっつーの!」

 

「なんですって――――!

あなた、自分の姿が見えてるの?

何も手間もかけていなくて、みすぼらしくって、貧相なチラシじゃないの!

あなたこそ、ゴミ箱ゲートに行くのは誰の目にも明らかだわ!出る意味あるの?帰ったらいかが???」

 

ファーを巻いたチラシの渾身の痛烈な言葉は、棘のようにやっつけチラシを攻撃する・・・はずでした。

 

しかし、やっつけチラシの次の言葉に、そこにいた一同はみな衝撃を受けてしばらくの間文字通り言葉を失ったのです。

 

「ふっ。残念だったな。

俺は前回のトーナメントで、一回戦突破しちゃったんだよ」

%e5%8b%87%e8%80%855-2

 

 

続く・・・

 

 

 

■勇者になるための本日のミッション■

1秒勝負を突破するのにだいじなことは何だと思いますか?

  1. 気合
  2. お客さまを思うきもち
  3. インパクト
  4. シンプルさ
  5. 1秒で「私の事だ!」とお客さまが思う何か
  6. 1秒でお客さまの頭が動きだす何か

 

 

The following two tabs change content below.

えむこ(福山道子)

担当:文ヴェニオ物語
ビジネスプランの脚本家

最新記事 by えむこ(福山道子) (全て見る)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

ページ上部へ戻る